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生まれた時から政略結婚の駒として生きてきた彼女は従順で―――
一度だけ聞いたことがある
自分の好きなように生きたいと思ったことはないのか、と
すると彼女は初めて聞く言葉のように目をぱちくりさせて、ふわり、と微笑った
「他人に傅(かしず)かれて生きる者は自由を求めてはなりませんのよ」
それが彼女の───高科家の娘として生きる者の哲学だった
彼女の次の役目は、家同士の繋がりを深めるため世継ぎを産むことらしい
オレは彼女に協力を惜しまないつもりだ
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