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「いきなり何するんですか!!」
水中から顔を出したアリアレーネは当然ライナードに怒りを向ける。
「攻撃系の魔法で無理矢理入れなかっただけまだマシだろ?」
クククッ、っそう小さく笑いながら風属性の魔法でアリアレーネ水中から浮かび上がらせ、陸に上げて濡れた彼女の服や髪を乾かす。
それが終わった直後、今度は大きくライナードは笑った。
「次、いつ目を覚ますかわからない現騎士長様! そんなになるまで追い詰めて自分はほとんど無傷の現副騎士長様!!
こんな為体を聞いた王都に居るお前等の部下や国王は何を思うんだろうなぁ!?
これを聞いた国王はお前等、特にお前に対してどんな処置をするんだろうなぁ?!!
考えなくてもどうなるかわかる!! わかるからこそ笑わずにはいられない!!
アリアレーネ・N・レギオン。お前は遂に一人になった。今回ばかりはガルシアさんも助けに入らないだろうし、何より入れないだろうな!!!!
なんせ、そんな風に育てたのは他でもないガルシアさんだ!!
ガルシアさんだけじゃない!お前の母親や弟や妹共も何をやっていたんだと責められるだろうな!!
何よりヤングレラの両親がお前を絶対に許さないだろう!!
あの両親は決闘の結果にすら口出しするような奴等だ、お前を一生怨み続け、許すことは一生ないだろう!!
おめでとうアリアレーネ・N・レギオン!!遂にお前は自身の蒔いた種が原因で破滅が確定した!!!!
本当におめでとう!!貴様のことが大嫌いなんて言葉では言い表せないほど無理な俺からしたら、これほど嬉しく愉快なことはない!!
なんせ、俺はこの事を今すぐにでも、国王に伝えればそれで貴様の破滅が現実のものになるからな!!」
厭味ったらしく、それはもう厭味ったらしくアリアレーネに現在の彼女の状況を心底嬉しそうに語るライナードであった。
事実は少々違うが、このままクロウが目覚めないという嘘を貫き通せば、確かにライナードの言ったことが現実になることは免れないだろう。
しっかりと、自分の置かれている状況を説明されて、アリアレーネの顔から色と表情が抜け落ち、完全な無表情へと変わる。
その表情を見たライナードはその笑い声を更に大きくし、腹を抱えて笑い続ける。
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