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その後もライナードはアリアレーネを言葉攻めにし、遂には彼女が人の言語を発せなくなるまで追い込んだ。
そうなってからもまだアリアレーネを罵り続けようとしたものの、流石に見兼ねたメグとツァチェに止められて、ようやく彼のアリアレーネ虐めが終わった。
アリアレーネはまさにライナードが望んだ『何も無い空っぽの状態』だった。
「いや待とうかメグにツァチェ。お前達は長年待ち望んだ状況が目の前まで迫っていて我慢が出来るのか?」
「少なくとも、」
「嬉々としてそんな変態的嗜好で人を殺そうとは思えない。というか流石の私も思いたくもないし考えたくもない。」
「うん。普通にドン引き。」
「へ、変態的……。」
ライナードは膝を折ってその場に手を着き、頭を垂れてしばらく動かなくなった。
「………………………その辺の魔物を狩って来る……。」
動ける程度には立ち直ったライナードは、ラングウェイそれだけ伝えるとトボトボと覚束ない足取りで森へと姿を消した。
彼女達に『変態的嗜好』と自分のアリアレーネに望む死に方を一蹴されたことがかなり堪えたようだ。
一方残されたラングウェイは、同じく取り残され今も地面に口から涎をだらしなく垂れ流している、およそ淑女が他人に見せられないような状態のアリアレーネと彼が戻ってくるまでの間何をすればいいかわからない自分について途方に暮れていた。
流石に目の前の誰にも見せられないようなビジュアルの知人に触れたくはない。
それに彼女を連れて洞に戻るのは彼が許さないだろう。
かといって今の彼女を一人でこの場に置いていくのは危険だろう。
だからといって彼女を起こすのには気が引ける。触れたくないから。
そう考えてメグは近くの木の枝を折って、それでアリアレーネをツンツンと突いた。絶対に直接は触りたくないから。
肩をツンツン、横腹をツンツン、膝をツンツン、胸をツンツン、首をツンツン。
突いて人が反応を示しそうな所を重点的にメグは折った枝で突いて行った。
突いて行くに連れ、少しずつだがアリアレーネは反応を示すようになっていった。
その反応には、次第に、徐々にだが艶やかなものも混ざっていた。
「なんだろう、レギオンさんの可愛い声を聴くとこう……、胸の奥から熱い何かが出て来そうで、なんだか凄く興奮する……。」
「メグ、お前もアイツのこと変態なんて呼べないギリギリの事言ってんぞ……。」
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