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此処は魔法が生活の基準の我々の住む地球、銀河系とは全く異なる世界タイランド。
このタイランドで最も国面積の大きい国ムーゲ王国の王都に向かう、一人の青年が居た。
青年は身長174センチほどの身長で、背中に1本の剣を装備しており、見た目20歳過ぎぐらいだ。
彼が何の為に、何の目的でムーゲ王国の王都に向かっているのかは定かではないが、少なくとも遊びに来た訳ではないだろう。
彼の眼は苛立ちや焦燥と言った感情が写っていた。
数時間後、青年はムーゲ王国の王都に到着した。
王都の正門だろうか?その門は高さ30メートルは有るだろう。そのぐらい大きい。
その門の脇に鎧を纏った兵士が四人。いずれも男だ。
男達は青年みたく、この王都に訪れた者達の目的と身分証明を行っている。門番の様だ。
青年は自分と同じくこの国に訪れた者達が列を成している所の最後尾に並んだ。
「"――――"」
青年の番まであと3組ほどまで進んだ頃だろうか?青年は何かを呟いた。そしてそれと同時に青年の姿は見えなくなった。
青年が見えなくなった事に、門番や一緒に並んでいた者は気付かず、見えなくなった青年はこれを善しとし門の中へ。
不法侵入である。
青年はそのまま人気の少ない路地裏へと向かい、そしてまた何かを呟いた。
すると青年は姿を現し、路地裏から出て、目的地が有るのか何処かへと歩き始めた。
その目的地に向かっている途中、道の両端には数多の店が並んでおり、青年はその店等の中から、流れる様な動作で地球のリンゴに似た果実を盗り、歩を進めながらそのまま口へと運ぶ。
「不味……。」
それから数十分程だろうか?
青年はとある建物の前へと来ていた。
大きさは15メートル程の5階建ての様で、外装はコンクリートの様な壁で、柱は煉瓦(れんが)造りとなっており、何処かアットホームな雰囲気を感じる。 扉は西部劇等で出てくる居酒屋の、両開きのドアより少し大きいぐらいの大きさだ。
青年はその中へ入って行く。
内装は外装とは違いとても荒んでおり、床は煉瓦(れんが)なのだが所々欠けており、その上元は鮮やかな綺麗な色合いをしていたであろう煉瓦達は、今は燻(くす)み見る影もない。
壁は木の板が貼られている様だが、その木の板も所々欠けており、その上タイランドの言葉で『他族なんて滅びろ!!』なんて物騒な事が掘られている箇所もある。
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