青年

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この階層は酒場兼受付なのか、入口入ってすぐの右手にはバーのカウンターの様な物があり、そこから入口から見て奥から7割程まで扇情的に机や椅子が拡がっている。 その机は大人4人から5人程が座って食事が出来る程の大きさの丸型で、高さは75センチ程だ。 椅子は丸椅子で、高さが50センチ程で背凭れが無い。 奥の残り3割程は何かの受付となっており、中央に受付の者が3人ゆとりを持って入れるカウンターが有り、その中は奥へと通じる通路が有る。カウンターの両端には紙が貼られた伝言板の様な掲示板が2つずつ置かれている。 入口から見て左側には学生程の年齢の者が多くその掲示板に集まり、右側の掲示板には青年より少し若いぐらいの者から50程の年齢の者が数人居る。 青年は何も迷うことなく真ん中のカウンターへと足を運ぶ。 「ガルシア・N・レギオンと面会を行いたい。 彼に取り次いで貰っても良いか?」 青年は受付に、そう簡潔に要件を話す。 「申し訳御座いません。此処はギルド。そして貴方様が面会を望まれた方は、この国の二本の牙とまで呼ばれるお方であり、このギルドの主。 身元のわからない方を我等の主と面会させる訳にはいきません。 お引き取り下さい。」 受付は青年の要件を、何無理な事を言っているんだと言った呆れた様子で一蹴する。 しかし青年はもう1度一語一句違わず同じ事を受付に言う。 「ガルシア・N・レギオンと面会を行いたい。 彼に取り次いで貰っても良いか。」 今度は語尾が疑問系ではなく言い切り系だ。 受付は青年を怪しく思ったのか、青年の様に一語一句違わず同じ事を、今度は力強く言う。 「申し訳御座いません。此処はギルド。そして貴方様が面会を望まれた方は、この国の二本の牙とまで呼ばれるお方であり、このギルドの主。 身元のわからない方を我等の主と面会させる訳にはいきません。 お引き取り下さい。」 普通なら此処で誰でも、少しは言葉を変えるなり引き下がるなり喰って掛かったりとするだろう。 しかし青年は再び、まるで機械の様に同じ事を受付に言って放つ。 「ガルシア・N・レギオンと面会を行いたい。 彼に取り次いで貰っても良いか。」
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