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「誰か!この人を止めるのを手伝って下さい!全然止まらない!!」
女性がそう周りのギルドの職員に呼び掛けると、職員達はドンドン青年にしがみ付く。
その人数は次第に二人から四人。 四人から八人。八人から十六人と2倍になっていく。
人の体重は男女痩せている者の体重を足しても約80キロから90キロである。
女性と受付の体重は二人足して約80キロ。
大の大人、それも男性なら約70キロにもなる。
そんな重さが今、青年には32程付いている。
男14人女18人。単純計算で現在、青年を止める為に凡そ1トンと1キロもの重さが青年にしがみ付いていたり、青年にしがみ付いている他の者にしがみ付いていたりする。
それを青年はものともせず、まるで少し重い物を持った様な面持ちで、ドンドン奥へと進む。
職員の中には青年のこの怪力に呆れ、付き合ってられるかと言った様子で手を離す者まで現れている。
青年はそんな状況を作って起きながらのほほんとしており、ついには青年の目的の部屋に着いた様だ。
そこにはギルドマスター室と書かれており、青年は何の迷いもなくその扉を開け放ち、中に入る。
中は紙で溢れ返っており、其処ら中に紙が散らばっている。
手前にゆったりと座れる二人掛けのソファーが2つ、向かい合って置かれている。そのソファー2つの間には、座ったときの膝下程しか無い高さのテーブルが1つ。
机も椅子も、シックな造りでこの部屋とは合っている様で合っていない。
奥には受付の有った先程の場所の、居酒屋の机程の高さの長方形の机が有り、椅子はふかふかのクッションで背凭れ付きのビジネスチェアの様な物だ。
そこに、青年より少し若く見える男が一人。
その男は入って来た青年を睨んでいる。
「ありゃ?此処になら前マスターと言っても居ると思ったんだがな。検討違いか。」
青年はそう言うと、男に背を向け部屋から出ようとする。
「まぁ待てよ先輩。折角の再会だろ?俺はアンタを国王陛下に突き出したくて、この5年間、ずっとうずうずしていたんだ。」
男はそう言うと、青年に何処から出したかは定かではないが、ナイフを取り出し青年のうなじ目掛けて飛び掛かった。
「キシャシャシャシャ!誰だよお前。 雑魚が粋がってんじゃねぇぞカス。」
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