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「おや、こないだ拾ってきた子じゃないか。同じ学校だったんだね……もしかして彼方ちゃん、偶然じゃなかったの?」
どこに集まっているのかを聞きだして、やっと親戚たちの集まりに合流できたところ、叔父さんが開口一番にとんでもないことを言い放った。
きちんとお礼を言いたいという礼儀正しい佐々さんとは相反して、実に無礼な叔父さんである。
「叔父さん! 開口一番セクハラしないでよ。今日は逃げ場がないんだから」
「セクハラじゃないもん。コミュニケーションだもん」
「だーもう、セクハラをコミュニケーションと呼ぶな」
そんな僕と叔父さんの無意味な掛け合いを無視して、彼女は向こうの方でしっかり挨拶をしていた。
「先日は大変お世話になりまして、佐々綾乃と申します。彼方さんとは同じクラスになりまして、親しくさせて頂いております」
「あらあ、随分礼儀正しいわねえ。ほら、かなちゃん。見習いなさいな」
「なっ……」
「いやいや彼方ちゃん、外面だけはいいものねえ。さっきだって後輩には愛想よく手を振ってたけど、私たちが振ってもガン無視だもの」
「近江先輩カッコいい、なんて言われてたわよ? モテモテねえ」
「そういえば小さい頃なんか……」
「ちょっ……あんま好き勝手に言わないでよ! 親戚だけじゃないんだから」
「あらあら、ごめんなさいねえ」
「彼方ちゃんもお年頃なのよねえ」
くっ……むかつく。そんなに飲んでなさそうなのに、どんだけテンションが高いんだ。
「ごめん、なんか叔父さんとおばさんたちが……」
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