美しき訪問者

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美しき訪問者

火を入れた暖炉のある 居間には 正午の光が差し込んでいた。 診療所の居間は さほど広くはないが 客人を招くには十分だった。 いつも教授が食事を摂るテーブル。 窓際には来客用のソファ。 暖炉の側には アジアの風景画をあしらった敷物が、 絨毯の上にさらに重ねて敷かれている。 その敷物のすぐ側で、 長椅子でくつろぐ 人影があった。 「お待たせしたね、 アヴァロン?」 ドアをノックすると、 教授は親しげに 長椅子の人物に声を掛けた。
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