遠来の客

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恵の身体は寒さと恐怖に小刻みに震え出す。 「ダメだ……弱気になっちゃ。 何とか……、何とかして、生徒たちを連れて帰らなくちゃ……!」 でも、どうやって……。 全く耳を貸さない相手にどう説明すれば解ってもらえるのか……。 恵の思考はぐるぐると堂々巡りを繰り返す。 名案も浮かばぬまま、 いい加減考えることに疲れ果てた ちょうどその時、 男の話声とともにドアの覗き窓が唐突に開いた。
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