救世主

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愕然とする恵の前で警部と教授は議論を続ける。 「“吸血鬼の災害”だと? 君は本気でそんな代物を信じているワケではあるまい?」 「当然です。あれは人間の仕業ですよ」 マクレガーは恵を睨む。 「素姓も判らぬ外国人でしょう? よくこんな患者を引き受けましたな?」 「さる人物からの依頼でな……」 「ほう?その人物とは?」 「言えんよ。守秘義務というヤツだ」 「事件の捜査ですぞ! “切り裂きジャック”も未だ未解決な上に今度は “吸血鬼”だ! ロンドン市民の不安は ピークに達しているんですぞ!」 激昂する警部に教授は 穏やかに切り返す。
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