救世主

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馬車が診療所に到着した時、 雨はすっかり上がっていた。 ロンドンの空を覆う雲間から光が注す。 ハッキリとは判らないが日の傾き具合から昼近くか? 水溜まりを避けながら 裸足の恵たち3人は 教授に促されるまま 診療所の玄関に向かう。 すると、 随分前から待ちわびていたのか 玄関の前で小柄な老婦人が 恵たちに抱き付かんばかりに 出迎えてくれた。 「先生!ああ、よかった! お嬢様方もご無事で!!」 「帰ったよ、 シェットランド夫人。 わしの留守中に変わったことはなかったかね?」
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