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「表向きは君らのことは
亜細亜の小国からの亡命貴族としておる。
それでいいかね?」
「イギリスのような階級社会では
身元不明の東洋人より、
扱いがよくなるからでしょう?」
「その通りだ」
飲み込みの早い昴に教授は満足する。
恵とアリスが別室で着替えている間に、
用意されたシャツとズボン、上着に靴を身につけた昴は
比較的スムーズに教授と会話していた。
「わしの若い頃の服だがなかなか似合っておるよ」
「ご親切に感謝します」
休診にした診療所の診察室で
ベルナール教授は
改めて昴を観察する。
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