遠来の客

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ここまで そんな、取り留めのないことを考えていた彼女は、重大な事実に気付く。 「わたし、いつの間に 着替えたの!?」 自分の物ではない 白いワンピースの寝巻。 バレッタで束ねていた髪も今はザンバラ。 いつもの白衣も側にない。 あの校長……、 ま、まさか私に 眠り薬を盛ってその隙に服を……? 「……どこが紳士よ! あの……!」 口にするのも憚られる 言葉で 校長の蛮行を罵る、恵。 その間、約15分。 「ゆ、許さない。絶対、抗議し……」 その時、 ゼエゼエと肩で息をし、 さらにベットから降りて校長室へ抗議に行こうと 決意した彼女の耳に、 人が言い争うような声が聞こえた。 しかもその言葉は──
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