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「ああそうだ。これだこれ」  思い出したように黒田はポケットから白い紙を取り出し、浅野に差し出してくる。それはさっき瑛太から手渡されていた紙だ。 「見てみてくれ」  言われてふたつ折りになっている紙を開く。 「これって……あのネクタイピン?」 「そうだ。瑛太に調べてもらってたんだ」 「調べてもらったって……彼は一体何者なんです?」  警察でさえまだわかっていないことを、素人であるはずの瑛太がなぜわかったのか。それは当たり前の疑問だった。
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