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「まぁたそんな顔して。カレーはな、不機嫌に作るより、優しい気持ちで作ると旨くなるんだよ」  そう言って、抱きしめる腕に力が入る。 「不機嫌にさせてるのはにいちゃんだろ。今日は何話してたんだよ、黒田さんと」 「さっきも言った。お前も見ただろ、今一緒に捜査してる浅野さんを連れてきただけだよ」  首筋に息がかかり、身体が熱を帯びる。あやうくお玉から手が離れそうになるのをなんとか堪えると、理人はさらに不機嫌に言い募ろうとする。けれどそれを見越した瑛太に阻まれた。 「んっ、ちょっ、にいちゃん」  息がかかって敏感になっている肌は、瑛太の唇によってすぐに暴かれる。舌が辿り、唇で食まれ、服の裾から滑り込んできた掌にびくりと身体が揺れた。
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