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瑛太がよくない連中と付き合っているということは理人の耳にも入ってきていて、そのことがどれほどのショックを理人にもたらしたのか想像に難くない。
それからの毎日は地獄のようだった。大好きな瑛太がいない。それだけで理人のすべてが奪われたような思いで、なんの色もなく、なんの音もなく、無色透明な世界は理人になんの感情も与えてはくれなかった。
そんなことが一年くらいは続いただろうか。両親の説得にも耳を貸さなかった瑛太が突然家に帰ってきたかと思うと、話があるといって理人の部屋にやってきたのだ。
あのときのことは一生忘れないだろう。いついかなるときでも、鮮明に思い出せる。
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