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目先のことしか考えられなかった理人に対し、将来のことまで考えてくれていた瑛太の大きさや温かさに、さらに好きだという想いが溢れ、胸が張り裂けそうだった。
この時間を乗り切れば、もっとずっと一緒に瑛太といられる。そう思ったら、離れて暮らすのも苦じゃなくなっていた。
そして高校入学と同時にこっちへ越してきたのだけれど、そこで知り合ったのが黒田だった。
黒田が瑛太を更生してくれた刑事だと知り、最初は感謝した。黒田の説得がなかったら、いまだに瑛太と気持ちが通じ合ってなかったかもしれないからだ。
だがそれも最初だけ。毎週のように店に通い、毎回ではないけれど、気づくと何かふたりだけにしかわからないように密かに囁き合っているのを目にするようになり、それが不快で不快で堪らなくなる。
それに気づいたときに瑛太を問いつめた。しかし瑛太は何もないと言うし、隠し事は嫌だと迫っても効果なし。黒田は単に瑛太のコーヒーが好きで、息抜きにきているだけだから、変なことは言うなと逆に叱られたことだってある。
でも絶対ふたりには何かあるはずだ。そう思うのに、瑛太はかたくなにないと言い張った。
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