幻想の世界

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「…はい5枚で良いかしら?」 そう言って霊夢は紗希に渡す。 「…俺のは?」 「無いわよ。」 「よし。紗希。賽銭箱の中身を返してもらえ。」 「冗談よ。…はい。」 「…ったく現金な奴だな~。」 「…では能力の有無をお願いします。」 「…はいはい…それじゃあ手を出してちょうだい。」 霊夢の誘導に合わせて直也が手を出す。 「割り込みですか直也?」 「…だってお前を先にしたら俺の時に背後から能力の実験台にするだろ?」 「…ちっ。」 紗希は舌打ちをしてつまらなさそうにする。 「んじゃあ頼むぜ。」 「はいはい。」 霊夢が直也の手を握る。 「…何か説明が難しい能力ね。…あらゆるものを跳ね返す程度の能力よ。」 「あらゆるもの…か。…セロリの力か?……紗希。俺に石を投げろ。」 「では遠慮なく♪」 ヒュッ。…ガッ。 直也に向けて投げられた石は直也に当たることなく跳ね返り、紗希に当たる。 「ふぐっ。」 「ん。やっぱセロリだったか。」 「…ててて……では次は私もお願いします。」 「えぇ。」 今度は霊夢が紗希の手を握る。…すると一瞬曇った表情をする。 「貴方の能力が解ったわ。…あらゆるものを創造する程度の能力ね。」 「やりました。」 紗希は霊夢の表情の変化には気付かなかったが、直也は注意深く霊夢を見ていた。 「…質量が関係あるかみたいから紗希…んー……リンゴとリュックを出してみろ。あらゆるものだから出来っだろ?」 「えぇ良いですよ。」 …するとリンゴは直ぐに紗希の手に現れるが、リュックは少しずつ現れてきた。
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