第1章

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二人分の皿が用意されていて笑った。 同情されていると思っていたのだ。 同病相憐れむ。 完治する展望を見通せない病に冒されている私たちは、 例え、 触れ合えたような気がしても、 所詮は互いに薄っぺらな情という皮を被っただけだ。 何れ必ず、 無慈悲な何ものかに裸にされていく。 会長は、 暗闇を通り過ぎるべきだった。 正体が知れてしまえば、 誤魔化すことはできない。 朔月のようには、 包み隠せやしないのだから。
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