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「なあ…本当に行くのか?今ならまだ引き返せるんだが…」
「当たり前ですわ、ココに居る子供達はみんな…この街の犠牲者なんですもの!」
「犠牲者…ね」
皇女殿下の綺麗事を鼻で笑って集落に向かって車を走らせた。
「…すでに囲まれたか…マキナ」
「うん、失礼します」
「えっ!?またですの!?」
人影は見えないが左右を結構な人数で挟まれたので突破するためにアクセルを踏む。
万が一子供を轢いた時の保険に皇女殿下にはアイマスクとヘッドホンを着けさせる。
車を走らせる事10分、集落のど真ん中にあたる広場に到着した。
すると退路を断つように薄汚れた格好の子供達が出てきて広場の外側を囲う。
…バカだなぁ、あんなん轢かれない事が前提のバリケードじゃねえか。
実際はなんの役にも立たないぜ。
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