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「いやー、子供達の悲劇のヒロインっぷりはヤバいねー」
マキナの声が聞こえたと思ったらノートパソコンを脇に抱えてトレーラーの車部分の上にしゃがんでいた。
「上には上がいるように下には下がいるんだよ?当然君達より下も腐るほどいるし」
「俺たちより下だって?…こんなクソみたいな街で住む所も食べる物も無く、毎日餓死に怯えてる俺たちより?そんなのが居るんならぜひ教えてほしいぜ!」
少年達がマキナを嘲るように笑う。
「世の中には君達と同じ歳で自由も無く、毎日死と隣合わせで魔物と戦ってる子供達もいっぱいいるよ?」
「そういう奴らからしたらお前らは相当幸せに過ごしてるように見えると思うが」
毎日自由で、人に迷惑かけて、好き勝手暴れても何も言われない…
自分達がどれだけ恵まれてると思ってんだ。
「ぐっ…!」
「それに、食べる物が欲しけりゃ街から出て森にでも行けばいいじゃねえか」
「自然の湧き水もあるし、動物や魔物もいるし、果物とかもあるのにね」
わざわざ餓死しそうになってまでこの街に留まる理由なんて無いと思うが。
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