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俺が内心現実逃避に近い脱線をしてる最中、女の子は必死に剣を抜こうと頑張っていた。
「だから、どうやっても抜けないって…」
その言葉を聞いて諦めたのか柄から手を離す。
「素手で戦っても俺に勝てない事は分かってるだろう?良い子だから素直に返しなさい」
「…前と今は違う…!」
女の子の姿が消えたと思った瞬間目の前に現れ顔面めがけての左ストレート。
「良い動きだ」
目線や重心、筋肉の動きからその攻撃が予想できてたので頭を軽く左に傾けながら避けてそう褒める。
「っ…!?」
まさか避けられるとは思ってなかったのか目を見開いて驚き、またしても顔面めがけての右エルボー。
「足下がお留守ですよー」
ソレをしゃがんで避けた俺は女の子の足を右手で掬う。
「あっ…!!」
「っと」
俺はそのまま横に倒れそうになった女の子をお姫様抱っこをするようにして抱きとめて立ち上がった。
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