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「はい、あの…」
女の子が話し始めると同時にICUのドアが開く。
「あの…どうでしたか?」
「ご家族の方ですか?一応一命は取り留めましたが依然として危ない状態です」
メイドの問いに医者は難しそうな顔をして答える。
その後に包帯やらチューブやらを付けられたライナが台に乗せられたまま運ばれて行く。
「…説明しますので、付いて来てもらえますか?」
「はい」
医者について行くメイドを追いかけるように歩き出すと女の子は病室の方に向かう。
「一体何があったのですか?あそこまで酷い大怪我を見るのは久しぶりですよ」
部屋に着くや否や医者はイスに座って聞くとため息を吐いた。
「私達もまだ事態が飲み込めてませんので…」
「そうですか…所でご両親は何時頃到着する予定です?」
「あ、俺らがあいつの両親です」
「は?」
俺の言葉に医者はポカーンとする。
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