最終話

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そして懐かしいお小言を言うと、私が初めて任された時と同じ仕事を言い渡す。 そこには私がひそかに憧れていたシチュエーション……私にしかわからないメッセージが書かれた付箋が資料に貼られているという、お約束が待っていた。 「ふふっ…」 緩む頬が止められず、すれ違った吉沢さんにもからかわれた。 「あまり社内でその緩んだ顔、見せびらかすなよ」 「き、気をつけます!」 「おう、頑張れ」 頭にポンッと手を乗せられて吉沢さんからの歓迎を受けたあと、辿り着いたのはコピー機だ。 「よっし!やるぞ!」 大きな独り言を洩らし、新しく始まる今日に気合を入れなおす。 本当の私の社会人としてのスタート。 ……柊さんとの新しいスタートがこれから始まるんだ。 end
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