最終話

18/31
前へ
/142ページ
次へ
離れたのは強いキスがゆっくりになり、熱い吐息が交わるのがわかるくらい冷静になってからだった。 虚ろな目に映る柊さんの姿も僅かに頬が高揚していて、まるで二人で熱を出しているみたい。 「口の中が熱いな……」 「…熱、下がりきってませんから…」 「俺の胸の中もかなり熱くなっている」 胸へと誘導させられた手に感じるのは、熱くなった柊さんの身体と激しく伝わってくる鼓動だ。 私と同じくらい高鳴っている。 「全く……病人じゃなかったらこのまま……」 「す、すみません…」 「明日、スペアキーを渡す」 突然日常会話に近い話題になり、目が丸くなりキョトンとなった私。 …今、スペアキーって言った??
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4118人が本棚に入れています
本棚に追加