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「その前に体調を治して今の研修もしっかりと終えないと」
「…はい、わかってます…」
「受付の研修が終わるのは二週間後だったか?なら、今週あたりに人事に掛け合うといい。その頃に課長や指導係りだった吉沢さんにも話を持ちかけて、配属の希望を言っておくとスムーズに話も進むはず。
課長も吉沢さんも君の勤務態度には…」
「……はぁ…い」
「…………琴?」
長い長ーい柊さんの話はいつの間にか私の子守唄になっていた。
興味がなかったわけじゃないんだけど、愛しい人の声と香り、そしてぬくもりがそばにあれば、意識が飛んでしまうのに時間はかからなかった。
「寝たのか?」
柊さんの呆れた声が聞こえてきた。でも、もうその言葉に謝罪する元気もなくて……
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