最終話

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それから二日が経ってやっと熱が下がった私は、ようやく出勤することが出来た。 あんなことがあったから築島さんへの苦手なイメージを拭えない私だったけれど、変わらず穏やかで優しい性格で、非の打ち所がない仕事ぶりだ。そして何事もなかったかのように普通に対応してくれる。 それが反対に怖いな…と思っていたんだけど、そんな彼女に妙な対抗心を燃やしていた留美は、研修が終わる頃には築島さんや先輩方と変わらないくらいの受付嬢として成長していて、本人も「仕事が楽しい」っと言っていた。 だから留美が受付に配属されるのは自然の流れで、築島さんの目を盗んで人事に販促課への配属の希望を言っていた私は、どこに配属になるのかそれは緊張した日々を送っていた。 それが決まるのは、研修も終わり休日が終わった月曜日……
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