神サマ、あたしはのび太ですか?

6/39
前へ
/291ページ
次へ
言いにくそうに唇を歪める松本さん。 わかります、その先は言わなくても。 「万里君はドリップしたてのしか飲まないから、これ」 だと思いました。 彼女はあたしに電気ポットとコーヒー豆の場所を教えてくれた。 「で、この奥」 「?」 「あそこが万里君のアトリエ」 「……彼だけの?」 「そうだね」 あぁ、どこまで神サマ扱いなんだろう? 「あと」 「はい」 「お昼は各自自分の机か外食。今日はどうしたの?」 「あ、えと、どうしていいか分からないのでとりあえず手ぶらで……」 そう答えると松本さんはにっこり笑う。 「じゃ、一緒に食べに行きましょう。行くとき、声掛けるから」 こんな天使のような言葉にあたしは「はい!」って答えた。
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12955人が本棚に入れています
本棚に追加