第3話 アイドルの秘密 9

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野次馬を押しのけ、桜田は、元町駅の構内へ向かう。 「総合運動公園駅までって、なんぼや」 自動切符売り場で、桜田は上にある看板を目を細めて見ている。 「430円です」と言い、竹山は言葉を続けた。 「桜田さん、事情聴取は」 「うるせえ!! 上司のやる事に、口だすんやねえ!!」 あんたの声の方がと思ったが、口には出さない。 ひと月前から復帰した竹山は、捜査三係に配属された。 つまり、今の直属の上司は、桜田だ。 「すいません」と言い、竹山は言われた通り、二枚切符を買った。 ふたりは改札をくぐり、ベンチで電車を待つ。 桜田が、ふたつ折りの携帯をいじりだす。
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