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先ほどの犯人は、裏通りで捕える事が出来ず、元町駅まで走っていってしまった。
あんたが電話に出たからだろうと、竹山は隣に思った。
「梅ちゃんと、上手くいってないんか」
こちらを見ずに言われた言葉に、竹山は固まる。
「なんや、変な顔して。花房先生みたいに、怒らんわ」
「……えっ、怒ってるんですか?」
「お前の、煮え切らん態度にな」
桜田がにやりと笑った顔を、向けてくる。
電車がホームに着き、竹山は「乗りましょう」と促す。
平日の、正午過ぎの車両は人がまばらで、ふたりは遠慮なく並んで座る。
「お前、おっぱいでかないとたたんのか」
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