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チラッと外を見ると、漆黒の暗闇というか
真夜中。
こんな真夜中に一君は私に何の用事なんだろ?
寝ている私を起こす程に大事な用事?
「どしたの...?」
頭の中はすでに活発なのに
声が寝起きの沈んだ声のままだ。
真夜中に起こすからこういう事になるんだよ。
何の用なんだー?
しかし訊かれた質問には答えずに
ボーッとしたように私の顔を見つめる一君。
どうしたどうした
...大丈夫かな。
「一君?」
もう一度かけた声に、やっと気が付いたのか
ハッとしたように我に帰るのが目に見えた。
本当にどうしたんだ。
大丈夫なの?
「ああ、そうだった。
二、時間がない。行こう。」
やっと答えた一君だが、妙に焦った様子のような気がする。
そしてこんな夜中に何処に行くって言うのか、全く理解ができない。
「はぁ?
何処に?」
「何処って、
...都だ。」
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