山口家の双子

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「我未熟ゆえの過ち。 二のせいなどはひとつもない。 ...ほら、行くぞ。」 一君が切羽詰まってきた顔をしたので 取り合えず寝間着を来たまま急いで家を飛びたした。 寝間着といっても、一君のお古の着物だけど 「なあ、二。」 小走りで夜道を無言で進む中、 一君が私を呼んだ。 どうしてもこの夜逃げが私のせいな気がして安らかでない私は 一君の声を聞いて少し嬉しい。 気まずかったところなのによかったな、 会話でもしたらちょっと雰囲気改善するよね、とか思うのは 自己中心的過ぎるのだろうか 「うん?」 短く返事をして一君の顔をみた。 微かな蝋燭の光は一君の顔を照らしきれずにユラユラと揺れている。 ...顔がよく見えないから表情の確認ができないよ 声的には怒って無さそうだけど、 どんな顔して喋ってるんだかが見えないんじゃあ少し不安にはなるわなー 「お前にはまことに済まない事をしたな。」 隣から聞こえてくる一君の声に耳を疑った。 何で一君が謝ってんだか全く意味がわからない。
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