不意打ち。

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また成績が下がった。 ガリ勉を絵に描いたような私に、勉強という最後の砦を失ったらどうなっちゃうんだろう。 目だって悪くなるし、コンタクトにするなんてそんなキラキラ女子にもなれないし。 あ、怖い。前から不良が来た。超金髪だ。 壁際に寄ろう。廊下はみんなのものなんですよー。なんて言えないわ、怖いわ。 「彼女ともう別れたのかよ。あんなに好き好き言ってたじゃん。」 「しょうがないだろ。全然やらせてくれないんだもん。」 「お前、最悪かよ。女は体じゃないんだぜ。」 「それ以外何があるんだよ。」 「お前、まじで最低だな。わからないわけじゃないけど。」 「宮下、お前どう思う?」 「別に。興味ないかな。」 「お前みたいなのがモテるんだよな。世の中ってなんて不公平なんだ。」 「別にモテてないし。」 「いやいやモテ、うわ!」 やばい、ぶつかった。怖い。逃げよう。早く逃げよう。 「すみません!」 はあ、はあ、はあ、はあ。怖かった。 なんであんなに廊下広がって歩くの?もう、だから不良って嫌い。
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