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「今回復させるから![キュア!]」
その言葉と同時に暖かい光に顔が包まれる。
これが魔法。回復魔法である。初級の回復魔法だから軽い怪我ぐらいしか直せないがそのお手軽さから何かと重宝されている。
そして俺には使えることは無いであろう魔法である。
「よし!これで終わり。もう動いて良いよ」
その声と同時に暖かい光がなくなり顔に触れていた手も離れる。
「ありがとう、<皐月>また腕上がったんじゃないか?」
そう言って頭を撫でてやると笑顔で見上げてくる妹の名は、
<御影 皐月 ミカゲサツキ> 俺の妹とは思えないほど魔法の才能があり、容姿も良く、武器にも恵まれ、世間から落ちこぼれと呼ばれている俺よりも(当たり前だが)友達がいる所謂リア充というやつだ。
だが、本人曰く付き合っている相手などはいないようだ。何なの?なにもできない俺に対する嫌味なの?
「そうだ早くしないと遅れちゃうよ」
「行ってきまーす」
「あー!置いてかないでよー」
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