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「祖父から回答がきました。どうぞ、先生お読み下さい。」
とクルトが祖父からの回答をゴリラに見えるようにする。
そこには
「この度は孫が不遜な態度をとり、失礼した。しかしながら学園長並びに学園理事会には、我が孫クルトの戦闘訓練の免除は受理されていて授業欠席は権利がある。また、塾生以外の学生と模擬戦は相手の学生を再起不能にする可能性が有るため御遠慮願いたい。しかし、どうしても参加させたいと仰るのであれば、ゴルドー=ゴールド教諭自ら御相手頂けるのであれば御自由にしてもらって構わないが責任はそちらで取っていただくが宜しいか。宜しければ承認を押して頂きたい。」
との文章があり、その下には承認と否認と書かれた部分が光っている。
「フンッ!良いだろう老いぼれ。儂自ら相手してやろう!」
とゴリラが承認を押す。
ゴリラが読んでいた反対側には
「クルトへ、シノンに怪我をさせようとしたそのゴリラにこれ以上デカイ顔をさせぬように徹底的に潰せ。場合によっては魔機を使っても構わん。學校のダメージ軽減結界は婆さんが組んだモノだから心配は要らん。身体障害になりうるダメージを結界が肩代わりして一時的にダメージを受けた部分の機能を奪う仕組みだ。全力でやらん限りは大丈夫だ。好きにやってこい。」
とクルトへの指示が書かれている。クルトは読み終わると即座に消す。この位置から見えたのはミーシャとシノンの二人だけだろう。ミーシャも何処からか通信がきていたのか、何かを読んでシノンと話している。
「クルト=オイゲン、貴様の試合は儂が相手するから一番最後だ。先ずはそこのクズからだ。」
とゴリラがミーシャを指差す。
「済みませんが棄権します。Dクラスの俺がSクラスのエリート様に勝てる筈が無いので。」
とあっさりとミーシャが戦う前から降参する。ミーシャの後ろのシノンがミーシャの足に蹴りを入れようとしているが、上手く躱されている。
「何言ってるのよミーシャ君!相手が兄さんじゃないんだからさっさと片付けちゃいなさいよ!」
と後ろからシノンが小声でミーシャに言う。
「はぁ、面倒だよ。俺は今日もバイトがあるんだ。少しは早く帰って休みたいんだけど。」
とゴネるミーシャ。
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