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ミーシャはクイーンタイラントとシノンの応援により嫉妬で怒り狂った対戦相手を見て、苦虫を噛み潰したような顔をする。
展開していた術式を解除して、拳銃を地面に落とす。地面に当たる前に術式が展開して水面に落としたように拳銃が消える。更に地面の術式を消すと同時に右側に展開した魔法円に右手を突っ込んで引き抜く。その手には短機関銃が握られている。
「フハハハハ、そんな豆鉄砲、このクイーンタイラントとスレーブタイラントには効かないぞ!行け!スレーブタイラント、あのクズを踏み潰せ!」
とスレーブタイラントの肩の上で馬鹿が騒ぐ。
ミーシャはスレーブタイラントのゆったりとした踏みつけを回避しながら、短機関銃で反撃するが、あまり効果は見られない。ただ、弾丸は弾かれることなくスレーブタイラントの体に食い込んでいるようだ。恐らく短機関銃の前で回っている二つの魔法円の効果だろう。
「ええい!しつこいヤツめ。スレーブタイラント、全力で叩き潰せ!クイーンは僕を支えるんだ!」
と馬鹿がクイーンに抱き抱えられるとスレーブタイラントが両手を組み、全身を使って両拳を叩き付けてフィールド全体に攻撃しようと全身を仰け反ったときに
「ΒЭРЫВ(ヴズルィーフ)」
と呟いて指を鳴らす。
パチンッ!と指が鳴った瞬間、スレーブタイラントの膝に食い込んでいた全ての弾丸が一斉に爆発する。爆発によりスレーブタイラントの膝が砕けてそのまま倒れ込む。その衝撃で辺りが舞い散った砂埃で見えなくなる。砂埃がおさまるとミーシャの姿が見えない。
「クソッ!クズが逃げたのか!」
と馬鹿がほざいているがクイーンは何かに気付き上を見上げる。その瞬間、クイーンの両目を弾丸が撃ち抜く。クイーンが両目を撃ち抜かれた瞬間、クイーンとスレーブは強制送還される。
クイーンが消えたことで漸く全員の視線が上を向く。其処にはワイヤーと術式で身体を固定していつの間にか短機関銃から持ち換えた狙撃銃で馬鹿を狙うミーシャが居る。ミーシャは馬鹿の両の肘と膝に弾丸をブチ込み、動けなくしてから着地の衝撃を散らす術式を使って飛び降りてくる。
「先生、まだ続けるんですか?このまま続けるなら相手には悪いですけど棄権してくれるまで拷問めいたことをしないといけなくなるんですが?」
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