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「なんだか親近感が湧くなぁその友達。もしかして、その友達って。」
「そうだよ。私に勉強を教えてくれている友達だよ。
あーやっとエレベーターが有るところまで降りてきたぁ。兄さん、ここからはエレベーター使います。もう疲れちゃった。」
と螺旋階段を往復して若干疲れ気味のシノンがエレベーターを使うと宣言する。
「若いのに何を言ってるんだシノン。よし、体力をつける為に階段を使って行こう。」
「兄さん、そんなこと言って時間を稼ぎたいだけじゃないの?
良いからエレベーターを使うんだから乗りなさいよ!それにもう階段なんて使ったら模擬戦で何も出来ないわよ。」
とシノンが兄を引っ張ってエレベーターに乗せる。
「だって行ったところで意味無いだろ。俺に見学してろってことか?
學校の方には爺から話がいってるんだろ?だったら本を読んでる方がよっぽど勉強になるんだが。
今、読んでる魔導国家イングリットの古式魔術の本が凄く面白くて折角ノッてる時に邪魔されると思わなかったよ。」
「私だって呼びに行かされると思わなかったわよ!
あれ?兄さん、神刀国家日ノ本の符術の本、それと仙道国家華清の道術に似た陰陽術だっけ?の本を読んでたんじゃ無かったっけ?」
「よく覚えたな。中々面白かったけど翻訳されたものだったから、意味にズレを感じるから原書を探してみようかと思ってね。
それにしてもシノン、良い感性を持ってるな。陰陽術は道術を手本にして作られたモノだからね。でも長い年月で研鑽が積まれたからもう殆ど別物になってるのに。
術式だけじゃなくて武術にも優れてるし、特に他国の技術をアレンジしてより良いモノにするところが凄い国だよ。何時かは行ってみたいな。日ノ本は同盟国だから何とかならないかな?」
「兄さんは色々行ってみたい国が有るのね。でも兄さんは将来はどうするの?軍人とかになったら自由にはならないと思うけど。」
「将来なんて考えてないなぁ。暫くは諸国放浪でもしようかな?と思ってるけど何で食べていこうかとかは考えてないよ。」
「兄さんにことを軍やギルドが狙ってるって聞いたけどどうするの?結構しつこいらしいよ。特に軍の人は成績優秀者は軍に入るのが当たり前と思ってるから。」
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