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「それは婆さまに何とかしてもらうから大丈夫だよ。…チーン…おっ着いたな。仕方無いから行こうかシノン。」
と歩き出す兄。
「………兄さん?そっちは食堂でしょ?訓練室は此方よ。もう!油断も隙も無いんだから。諦めて訓練室で本を読んでなさいよ。取り敢えず居ればあのゴリオッサンも満足するでしょう。」
と首根っこを掴んで引き摺って行くシノン。
「クッ最近、婆さまに似てきたな。と言うことは俺は爺に似てきたと言うのか?それだけは勘弁して欲しいぞ。分かったよ、ちゃんと行くから襟を離してくれ。」
「ちゃんと来る?さっきも言ったけど私の単位が掛かってるんだから来てよね。でないとお婆ちゃんに言っちゃうんだから!」
「よし行こう!マジで行こう!だから婆さまに言うのは勘弁してくれ。婆さまに泣かれるとマジで堪える。爺はどうでもいいけど、婆さまは駄目だ。」
「兄さんは本当にお婆ちゃんに弱いよね。まあうちはお父さんもお母さんも居ないから仕方無いかな?
でもお爺ちゃんには厳しいよね。」
「爺は良いんだよ爺は。初等部の子供のプリンを盗って弱肉強食だとか言って、婆さまにお仕置きされる大人気ない爺の扱いなんてこんなものだと思うぞ。」
「お爺ちゃん、何やってるの?そう言えばよくお菓子をくれたけど、アレって兄さんのだったんだ。」
「ああ、だからシノンの体重が鰻登りに…ダンッ!ダンッ!ダンッ!………だから、危ないだろ?体重の話をする度にナイフを投げてくるんじゃない!見ろ!壁に刺さってるだろうが!學校から修理費を請求されたらどうするんだ!全く、考えて行動しろよ。幸い、學校の壁や窓は自己修復の術式が掛かってるから良いけど、さっきの机には掛かって無いから俺が修復術を掛けたんだぞ!」
「兄さんこそ、乙女に対して体重が増えるって言わないでよ!最近ちょっと増えて気にしてるのに!それに修復に関してはお爺ちゃんに言えば何とかしてくれるわよ!乙女心を傷つける兄さんの方が悪いわよ!」
「体重は身長が伸びたからだろう?そこは気にしなくて良い。
でも、お前がやったことに対して爺は俺に後始末させるんだから勘弁してくれ!この間も色々と修復させられたんだからな!」
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