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◇ ◇ ◇
慎一郎と双葉親子が羽田空港にいるのには訳がある。
遡ること一月程前。
国内で唯一747を保有し運航している航空会社が2014年3月をもって就航を終了する報道をした。
747とはジャンボジェットの愛称で広く知られる、二階建ての大型旅客機で、大量輸送時代の一躍を担った名機だ。ひときわ大きく、丈も高く、一目で見分けがつくフォルムを持つ。現在、日本の航空会社は国際線はもとより国内線でも運航終了や飛行数を減らし、後継機に道を譲りつつある。
その、唯一保有する航空会社がわずか3機となった残存機体で様々なイベントを開催すると発表した。
第一弾が、里帰りフライトと銘打ち、かつて運航していた空港に1日一往復だけ運航をするというものだ。
最初にインターネットで情報を収集し、家族にもたらしたのは長男の一馬と妻の秋良だった。どちらもfacebookを見たと言った。
彼女は客室乗務員出身。しかも今回のラストフライトは所属していない方の会社の話だ。彼女は自社のみならず国内の各航空会社に加えて、主立った航空会社の公式アカウントのほとんどに『いいね!』を押している。同業他社に転職した友人や元同僚が何らかの形で関わっていることもあるし、やはり同業の動向は気になってしまうのだと言う。にしても職務熱心で、豆だ。
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