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コクラは備え付けのクローゼットからスポーツバッグを取り、少ししわになった紙袋を出した。
コクラは、向かい合ってベッドの端に腰掛けた。
大きな紺のスニーカーが、ブーツの先に触れそうだった。
ベッドの下が、部屋で一番明るいように見えた。
「うまかよ」
差し出された紙袋を覗くと、包装された箱が二つ入っていた。
「大きいのは筑紫餅で小さいのは明太たい」
「ありがとう」
顔を見られずに、肩の辺りに視線をむけた。
「あのお」
コクラが言葉を切ったので、顔をみた。
目が合うと、照れたように笑って首を横に振った。
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