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二階に案内されて階段をあがると、左手にビールケースとビールの銘柄の書かれたタンクがたくさん置いてあった。 中央に黒く大きな鉄板が埋め込まれた木製のテーブルがいくつか並んでいた。厨房に一番近い席に通された。
「よかったばい。中が見える」
コクラの呟きが聞こえた。 座るとすぐに店員が水とおしぼりを運んできた。
「トン玉とネギすじを一つずつください」
メニューも見ずに、コクラが言った。大きなコテ二本、小さなコテを二本と小皿が来た。コクラは首を伸ばして厨房を覗いていた。えらのラインが浮き出て、きれいだった。見ているうちに、鉄板からあがる熱気で頬がほてった。
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