第1章

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 カーテン開け放しの窓から、向かいに建つビルの光りが見えていた。  その下に、ベッドの角があった。  コクラが部屋の奥へとすすみ、カーテンをしめた。  立ち止まったままの私の後ろで、勝手に鍵がかかった。  眠るためだけの部屋は、狭かった。  ベッドの横に置かれたライティングデスクに添えられた椅子を、コクラは部屋の中央まで引き出し、座るよう言った。  すぐに腰掛け、バッグを膝の上においた。
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