★SIX★

16/21
前へ
/173ページ
次へ
胸の奥がざわざわした。 でも、もし本当に、舜が赤城くんといるのだとしたら? 確かな証拠がないのに、舜の言葉が「嘘」だと決めつけるのはよくない気がした。 “いいなぁー。私もドーナツ食べたい!” 私はトークを送り、すぐにトークルームを閉じた。 いつも以上に、ドキドキしていた。 “いいだろー。また今度、一緒に行こう。” 舜からの返信が表示される。 また今度…か。 棟の奥が、ズキッと痛む。 今頃舜は、美織さんと仲良く喋ってるのかな。 楽しそうに…笑ってるのかな。 やだなぁ…。 ベッドに腰を沈め、ため息をついた。 それから横になり、目を閉じた。 どのくらい時間が経ったんだろう。 インターホンが鳴る音に、私は目を覚ました。 ちょっと昼寝をするだけのつもりだったのに、もう昼を過ぎていた。 慌てて起き上がり、髪の毛を整え、階段を駆け下りる。 インターホンのモニターを確認すると、そこには玲也くんが映っていた。 慌てて応答ボタンを押し、 「ちょっと待ってね!」 と彼に声をかけた。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

162人が本棚に入れています
本棚に追加