★SIX★

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玄関まで行き、スニーカーに足を入れると、解錠し、ドアを開けた。 「どうしたの?急に」 部活のTシャツの上に長袖のジャージを羽織った玲也くんが、ドアの隙間に手を入れる。 玲也くんは背が高いから、私は見上げなきゃいけない。 「…心配だったから」 「え?」 し、心配って? 何故だか、ドキドキする。 「横井のこともあったし、落ち込んでるかなって思って」 玲也くんが頬を掻いた。 「玲也くんって、優しいんだね」 「え?」 こんなことで、心配して家まで来てくれるなんて。 それに比べて舜は、美織さんと2人で出かけてるんだもんね。 「何かあった?」 玲也くんが腰を屈め、私の顔を覗き込んでくる。 私は、慌てて顔を背けた。 「ううん、何でも。ただ…好きでもない女の子にこんなに優しくできる玲也くんって、優しいんだなぁって思って」 私は玲也くんを見上げ、精一杯笑ってみせる。 玲也くんが少し俯いた。 「そんなことないよ。俺、全然優しくないよ」
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