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「…ばか」
私は呟いた。
恥ずかしくて、舜と顔を合わせられない。
「でも、ありがと」
それから暫く、イルミネーションで幻想的な空間になった駅前の大通りを二人で歩いた。
舜が予約を入れた、イタリアンのレストランに向かう。
いつものデートなら、歩くときの会話は絶対途切れない。
でも、今日は何故だか会話が途切れていた。
というより、会話が一切なかった。
レストランの前についたところで、やっと
「大きなレストランだね」
「奮発したからね」
と言葉を交わした。
レストランに足を踏み入れ、
「予約した三条です」
と舜がウェイターに声をかけた。
席に案内され、私達は窓際のテーブルに腰をかける。
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