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「そういえば、さ」
料理が来てから、舜が言いにくそうに話を切り出す。
「うん?」
「美玖って、玲也と仲いいよな」
ドキッ。
心臓が跳ね上がった。
「ま、まぁ。だってほら、私バスケ部のマネージャーで、玲也くんは主将(キャプテン)でしょ?」
だから、なんていうんだろ。
口を利かないなんてわけにもいかないし、練習メニューの話とかすることだってあるし。
「それはわかってるんだけど。…それ以上に仲良く思えるっていうか、その…」
舜が頭を掻いた。
私は料理を口に運び、「ん?」と首を捻った。
「玲也の前ですっごい可愛い笑顔見せてる美玖見るとさ…モヤモヤするんだよな」
何…それ。
もろ嫉妬じゃないの。
「…でも、大丈夫だよ。だって、私が好きなのは舜だし、玲也くんとは本当に、部活上の関係だし…さ」
舜が唇を尖らせた。
「美玖は何とも思ってないかもしれないけど、アイツが美玖のことどう思ってるかなんてわからないだろ」
いやいやいや。
玲也くんに限って、そんなことあるわけないって。
玲也くんってかっこいいし、優しくて爽やかで、舜とは全然違うタイプだけど、女子の間では結構人気がある。
だから、絶対他校にカノジョの一人や二人くらい…。
二人もいたらダメか。
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