【霧・摩・影・變】シリーズ /  第一話 【腐霧】

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少し開けたドアの隙間から 室内を覗くように 見ながら呼んでみた 「こんにちわー水谷さーん、105の須崎です…」返事は返ってこない 「水谷さーん……」何の気配も感じられない 久江が上から顔を出す 「だめ!返事ないわ!」 「いいから 中に上がって見てみろって!」田村が急かす 「あんた!ちょっと来て!ドアのとこいてよ!!」 亭主をドアのところに立たせて、渋々久江はドアを入る 「水谷さーん…入るわよー…」 返事はない…部屋の中に上がる 綺麗に整頓も掃除もされて 清潔そうな感じだ、部屋の主の几帳面さがわかる 恐る恐る、ドアを開ける久江
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