【霧・摩・影・變】シリーズ /  第一話 【腐霧】

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下の階の須崎久江のヒステリックな声で目が覚めた 目をこすりながら時計を見る 「土曜の朝っぱらからまた夫婦喧嘩かよ いい加減にして くれないかな須崎さんとこ…」 土曜の休み午前中 昨晩はやっと取り付けたOLたちとのコンパで朝方に帰ったばかり タイプの娘がいて デートの約束を取り付けようとしたがアッサリ断られ コンパも不発に終わり 少々機嫌も悪かった 真下の105号室の須崎夫婦はしょっちゅう喧嘩… いや、妻が旦那を一方的にヒステリックに怒っている 「くそ目が覚めちゃったよ」 立ち上がり 冷蔵庫の中のペットボトルのお茶を出し 一気に飲む 窓を開けた、外を見ながら大きくあくびをする 右を見ると隣のホステスのりえの干した派手な下着がヒラヒラ と風になびいていた 「りえさん派手なのつけてんだなぁ…」 履いているところを想像していた 勢い良く隣の窓が開いた 「ちょっ!うっさいわよ!まだ朝でしょ!静かにしてよ!n」 (そういえば 自分が帰宅して少ししてから 階段を上がるヒールの 音がしてたっけ…朝帰りなんだな りえさんも…) りえがこちらを見た 「あんた 人の下着見て何ニヤニヤしてんのよ!盗まないでよ!」 バチンと窓を閉じた
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