【霧・摩・影・變】シリーズ /  第一話 【腐霧】

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以前に土手で捕まえたマムシの首を切って血を飲ん さらに七輪で焼いて食べてるとこを一度見たことがある 噂だとたまに鳩で焼鳥を作るらしい 「逞しいよな 、飢えても俺には無理だな・・・」 橋のまんなか辺りで201号室のホストの芦屋とすれ違う 「よっ、おはよーさん!」 「芦屋さん、今帰りですか?」    「売れないホストは電車で朝帰りさ」笑って答える芦屋 足を止め、高野の姿を確認するように見た 「土曜の午前中にパジャマでタバコを買いにか・・ということは・・」 「昨夜のコンパは不発、まだ寝足りないが須崎さんとこから聞こえる ヒステリックな声が煩くて目が覚めた・・・そんな感じだろ」 「ご名答! そのまんまですよ、ホストより探偵のが合ってるんじゃないですか?」 「ははは、うちのアパートの住民ならみんな当てられるよ、毎度の事じゃん」 笑いながら釣りをしている田村の方を見た 「田村のおっさんは釣りか・・昼飯用かな、なにが釣れるんだろう」 「さぁ」 「じゃあね、俺も寝るとするよ」 「ええ、じゃあ」  見た目はチャラいが一番話しやすい いつも陽気な感じで気軽に声をかけてくる アパートに戻ると階段下をホウキ掃いている須崎の妻、久江がいた   
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