【霧・摩・影・變】シリーズ /  第一話 【腐霧】

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また吐き気がこみ上げてきた、トイレに走るが なにも出ない 「う~気持ちわりー胃が痛くなってきた」 「あれ? なんか薄暗いな…夕方か?」 窓の外を見た 、「なんだよ あれ」慌ててドアを開けて 通路に出て まわりを見渡した 「なんだ? どうなってる?」 「なんだよあれ…気持ち悪いな」 通路から川は見えないが 対岸にある林が見える その林に、濃い紫色の霧がかかっている 急いで道路に出て 左右を見た 車は通らず、橋の向こうも霧左も3、400メートルほど先で 道路は霧の中に消えてい、アパートを中心に半径300メートル 場所によっては500メートル くらい紫色の霧で囲まれていた 「え? 霧? なんだあれ」 「夢か? いや違うこんなリアリティあるわけない」 「光化学スモッグ?…にしては目も痛くないしな」 空を見上げて見た、空はどんよりとした紫色で 太陽は見えない、ぼんやりと明るいだけだ 急いでアパートに戻ると 階段を降りた辺りに 田村須崎夫妻がいた 「見ましたか! あれ、一体なんですか!」 田村がこちらを振り向く 「さあな、川の流れも止まってるよ…何だろうなこれ」
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